R.シュトラウス 英雄の生涯
2022.04.24 (Sun.) 00h18

本日は札響第644回定期、メインはリヒャルト・シュトラウスの英雄の生涯でした。2年ぶりの16型となります。
この作品の特徴といえば、まさに、豪華絢爛、異次元の輝きを連想させる音響、活力と希望、愛に満ちた世界が展開されることと言えます...。
骨格は意外にもシンプルです。弦を奏者ごとに分けるdivisiは音響効果も弾きやすさも抜群だし、スコルダトゥーラという調弦のピッチを下げる特殊技法も無理なくこなせるように作られています。演奏効果が高いし、物理的に不可能な指示や音も一切ありません(あくまでもヴァイオリンパートでの話ですが..)。大好きなR.シュトラウスでこの月を迎えられて嬉しいです。奏者全員で合わせづらい音型はむしろ合わないほうが音響効果が望めるなど、特性というものを存分に活用した名作です。
写真は澄んだ空気の中の星空。長時間露光により月と星をこのように撮ることができました。
-----蛇足
作品の中間部では”敵”との闘いと、敵に見事勝利する姿が描かれる。敵とはシュトラウスにとっての評論家だの外面的なものに留まらない。すなわち、恐怖心や猜疑心、誘惑を囁く悪魔など心に潜む魔物や怪物であり、それらとの死闘の末に漸く”勝利”を勝ち取るようにも受け取れる...。
Rシュトラウスがこの作品について自分の人生を描写した音楽だ、などと発言しなくて本当に良かった。シュトラウスの友人の助言により今日では場面ごとに副題がついている。しかし出版されたスコアでは結局削除されているため、やはり副題は本意ではないようだ。
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クラシック, 演奏