おしらせ

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谷桃子バレエ団 「眠れる森の美女」@日生劇場

2019.08.26 (Mon.) 11h14

日生劇場ファミリーフェスティバル「谷桃子バレエ団 眠りの森の美女」6回公演が終了しました。コンサートマスターとしてオーケストラで演奏していました。
この一週間で実感したことは、バレエでの演奏は、楽器同士のアンサンブルに通じるものがあるということです。やはりバレエの基礎知識から実際の傾向とか色々なことを理解していないとバレエの伴奏は無理です(”BGM”でよいのなら可能ですが)。

千秋楽となる6回目の公演では、開演直前のチューニング1分前に、弓のスクリュー(ネジ)が壊れ、毛を全く張れなくなってしまったので、スペアの弓で弾きました。2,3年ほど弾いていない弓だったので感覚を思い出して弾きました。ちょっと固い音色だなぁ、刻みだけはよく飛ぶなぁ…とか。。スペアといっても以前使っていたちゃんとした弓で、たまに手入れをしていたのが幸いして、音色はいつもと違うものの本番に対応することができました。弦楽器はじめとても素敵なメンバーたちに囲まれた機会で幸運でした。


今回の公演に際して、ボウイングは弓の都合と思われる書き込み箇所をオーソドックス(あるいは伝統的な)ものに全て直しました。リハ初日にはお手数をかけましたが、コンマスであっても事前に楽譜が手に入らないですし、バレエでは自由に幅広い発想に基づく音色や歌い回しの表現力が大切だというのが信条で、それらを犠牲にするようなボウイングやフレージングをできるだけ直した次第です。演奏が楽で心地よくて安心してアンサンブルした”気がして”最後まで弾けて、聴衆はというと、つまらなくて”眠くなる心地よさすらなく”微妙に疲れる2時間ということは、よくあります。

そうした無駄時間を過ごすよりは、1300人*6=7800人に良い演奏を届けて、何歳の子でもいいから、1人でも多く何かを届けられるほうが、後々の我々にとってもいいことだと思います。
日生は残響に難というか癖があり、詳しくは明かせませんが残響を擬似的に作る必要があります。音そのものは物理的に届きやすい傾向にあると感じました。


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ところで、僕は子供の頃からバレエが大好きで、テレビで流れているロットバルトを真似してひたすら踊っていた(おそらく、マントを羽織った変な風体に興味を持ったのかと…)
いま大人になってみても、本当にバレエは素晴らしき総合藝術の一つだと思う。
バレエの伴奏が生演奏である理由は、昔からそうだからという習わしからだけではない。振付や演出が変われば全く同じ曲でも全然違うアーティキュレーションや歌い方になるし、それは私たちがいなければ実現できない。逆にいうと私たち演奏家も、バレエのテクニックなどの基礎などを熟知している必要があると思う。

演奏が音楽的ならダンサーたちは踊りやすいし、棒からしか分からないが、向こうが踊りやすければこちらも不思議と弾きやすさを感じる。

バレエではオペラと違い、舞台上では一切声を発さない。振り以外で声の代わりになるのが音楽であり、声に留まらず場所や時代の様々な空気やキャラクターの心境を巧みに表現できる。
チャイコフスキーやプロコフィエフはこれをまさに高い完成度と芸術性を以ってして実現していると思う。

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