香りの記憶

2017.03.26 (Sun.) 22h42

Chanel pour monsieur et mon violon

恩師ジェラール・プーレからいただいたシャネルの香水。2010年の冬、レッスンでご自宅に伺ったその帰り際、お部屋から小さな箱を持ってきて「君にあげる」と手渡されました。スプレータイプではない、まさに香水瓶。
当時は香水に全く興味がなかったのですが、年季の入った箱に入った香水瓶を尊敬する恩師から手渡され、新しい世界を垣間みた瞬間でした。笑

あれから6年。久々にキャップを開けてみたら、当時と感じ方が全く違い、驚きました。

その香りには品があり、格調高く、程よい甘さの中に凛とした芯を持っている。
まさにプーレが本番で演奏している時のオーラなのです。

香水は古くなると香りが変化してしまうとよく言いますが、この香水はむしろ、より良い香りに熟成している気がします。笑

なお、プーレ先生による直近の大きなリサイタルは5/5の14:00、紀尾井ホールで行なわれます。
プーレ先生のお父様はドビュッシーのヴァイオリンソナタを初演した指揮者兼ヴァイオリニストであり、そしてこの5/5はその初演から丁度100年目という、記念すべき日となります。
オールドビュッシーのプログラム。私は今から楽しみにしています。
詳細はこちらから。ジェラール・プーレ ヴァイオリンリサイタル 〜ドビュッシー三昧〜

そしてそして、私自身のコンサートと、演奏の場を、今年は徐々に増やしてまいりたいと思います。
詳細が決まり次第、追ってお知らせいたします。

自分の居場所

2017.03.13 (Mon.) 00h32

誰もいない夜の日比谷通り


東京・丸の内に訪れると、心が開放されます。
通りは広く、雰囲気が落ち着いていて上品ですし、そして何より、良い思い出や出逢いを偶然にもここで重ねてきました。食事で隣になった方が偶然クラシックファンの投資家の方で、意気投合し、その足で帝国ホテルのバーへ向かったこともありました。留学や海外でのお仕事のエピソードなどをじっくり聞かせていただけて、とても勉強になりましたし、目標をはっきりさせることができました。

国際フォーラム以外にコンサートホールは無く、ロビーコンサートでも演奏したことは一度もないため、普通に考えれば訪れることはそう無い筈なのですが、何かとご縁があるようで、訪れる度に良い思い出ばかりが重なってゆきます。とはいえ、ここに勤めている訳でも、特段買い物に訪れる訳でもないので、お店の場所や道は未だによく分かっていないのですが。笑

もう一つ、丸の内が具体的に好きな理由があります。道行く人やレストランの店員さん、作業員さんに至るまで礼儀正しく、ゆとりを持って接してくださるので、とても気持ちがよいのです。
私は昔から、態度を相手に合わせて「適度に崩す」ことが苦手でした。どちらかと言えば、礼儀正しくしようと気を引き締めているほうがずっと本来の自分でいられます。

私が本来の自分でいられるのは、本番とその前後の時間です。
日常なので流石に本番ほどではないのですが、本番以外で、と訊かれれば丸の内と即答です。笑


まずは、すでに今から丸の内イルミネーションが楽しみです。今日歩いていたら、街路樹から電飾を外す作業が行なわれていましたが、見なかったことにします...


Gyoko ave. / Chiyoda, Tokyo


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本来の自分でいられること、そして自分の居場所を見つけられるということは幸せなことだと思います。

新たな演奏活動

2017.03.11 (Sat.) 22h49

上野公園の桜

4月より新たな演奏活動の場が加わります。
先日、紀尾井ホール室内管弦楽団(旧称: 紀尾井シンフォニエッタ東京)の今年度シーズンメンバーのオーディションを受け、採用されました。ご期待を裏切らぬよう精進いたします。この楽団は私の恩師である玉井菜採先生(コンサートマスター)をはじめとする、一線で活躍するソリストや主要オーケストラの首席奏者で構成され、今年からは初の首席指揮者としてライナー・ホーネック氏が迎えられます。
私が藝大の学部生だった頃に、藝大チェンバーの定期演奏会にホーネック氏をソリストとしてお迎えしたことがありました。その美しい音色と音楽の繊細さに衝撃を受けたことを今でも覚えています。4月の定期は早速、ホーネック氏と千々岩氏の共演です。皆さま是非おいでください。私は今から楽しみです。
写真は, 昨年撮影した上野公園の桜。